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昨年度事業報告

 令和6年度は、雇用環境の改善とともに賃上げの動きが加速し、社会経済活動も回復傾向が続いた。しかしながら、円安によるエネルギーや食料品などの価格高騰が企業の収益や家計を圧迫しており、企業の価格転嫁と持続的な賃上げによる「物価と賃金の好循環」の実現に向けて、正念場を迎えている。
 国際的には、ウクライナ戦争の長期化に加え、中東情勢も混迷が続き、世界の安全保障は依然として不安定な状況にある。そうした中、米国では「米国ファースト」を掲げるトランプ政権が誕生し、輸入品への関税引き上げを打ち出すなど、その政策が世界経済に与える影響は大きく、先行きの不透明感が一層強まっている。
 県内経済は持ち直しの動きがみられるものの、諸物価の上昇に伴うコストを十分に価格転嫁できていないことや、人手不足の深刻化が顕著になってきている。生産性向上に向けたイノベーションの創出や、働き方改革を進めるためのDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、さらにはカーボンニュートラルへの取り組みなど、賃金引き上げとともに企業の持続的な発展を支えるための重要な課題となっている。
 岩手経済同友会は、事業の柱として岩手の未来づくりに向けて8回目となる「岩手経済戦略会議2024」を8 月30 日(金)に盛岡グランドホテルで開催した。
 会議では、岩手県でも顕著になってきている人口減少、その対策について地域や企業はどのように取り組んでいくべきかを考え、議論するとともに、その取り組みが企業の成長や地域経済の持続的発展に欠くことのできない重要な要素であることを再認識した。
 第1部では、ニッセイ基礎研究所人口動態シニアリサーチャーの天野馨南子氏が「なぜ『岩手経済界』が岩手人口の未来を握るといえるのか~エビデンスが示す、四半世紀で出生数6割減の真実~」と題して発想を提起した。
 第2部は「住みやすい岩手・住みたくなる岩手~人口減少時代の地域づくり」をテーマにパネル討論を行った。パネリストとして浅沼醤油店の浅沼宏一代表取締役とジュークアンリミテッドの加藤瑞紀代表取締役社長、それにAqshの塚田崇博代表取締役が登壇して事例を発表し、アドバイザー役の天野氏とともに意見交換した。進行・コーディネーターは石田一朗幹事が務めた。
 全体のまとめとして、(公社)経済同友会の岡野貞彦常勤顧問が「この会議を開催していること自体が地域の活力になる。これを継続し、課題解決への取り組みをチェックしていくことが大切だ」と総括した。

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